人形劇団ポポロ  

第6回国際人形劇祭「アルレキンのお客様」で
『マリヤーナ・キセロワ記念賞』と
ぺトリューシカの『グラン“ク”リ賞』を受賞しました。

2019年第6回国際人形劇祭アルレキンのお客様

2019年9月24日〜9月30日開催

人形劇団ポポロの出演 9月28日17:00/18:40「ばけものづかい」

オムスク人形劇場「アルレキン」(ロシア)

[正式名称:オムスク州立文化施設『オムスク州立人形・俳優・仮面劇場アルレキン』]

 

『マリヤーナ・キセロワ記念賞』とぺトリューシカの『グラン“ク”リ賞』を受賞 さまざまな国からの参加者と盛り上がるパレード 二人の道化人形は大人気です テレビや新聞、ネットメディアなど、今回も数々のメディアから取材を受けました









2017年に続き、2回目の参加となった「アルレキンのお客様」。

前回「鬼ひめ哀話」で参加し、スタンディングオベーションに感激したこのロシアの地に、再度「ばけものづかい」で招聘されました。

そして、『マリヤーナ・キセロワ記念「報道好感度(最優秀)」賞』とぺトリューシカの『グラン“ク”リ賞』を受賞!!

『マリヤーナ・キセロワ記念賞』は、参加国の中で最も人気が高く観客を楽しませたことが評価されての受賞となりました。

前売り券は全劇団中、最速で売り切れ!満員のお客様は大爆笑!

ロシアに着いてみると、一般向けに発売される前売り券が、全劇団中、最速で売り切れ、関係者席まで発売したという人気で、皆さんからの期待の大きさにビックリしました。

今回上演した「ばけものづかい」は2017年に中国でも上演している演目です。 2017年の中国・ロシア公演から数えて3度目の海外公演。だんだんと慣れてきたとはいえ、やはり、海外での公演は大変ですが、その分喜びや達成感が大きいのも事実。 今回も通訳の田代紀子さんに大変尽力いただき、字幕ではなくロシアの俳優であるロマン君が芝居にあててしゃべるといういわば「活弁スタイル」での上演となりました。

そして本番!ものすごい反応と沢山の笑い声に包まれ、会場は大いに盛り上がりました。

ぺトリューシカの『グラン“ク”リ賞』も受賞。

「アルレキンのお客様」では毎日、二人の道化人形がその日の上演を面白おかしく振り返る人気イベントがあります。その二人の道化人形が選んだ『ぺトリューシカ賞』でポポロは何と「グラン“ク”リ」を取りました!!「グランプリ」ではなく「グラン“ク”リ」というところに、この賞のユニークさとセンスを感じますね。一番の観客であるぺトリューシカに認められた事は何より嬉しく皆大喜びだったようです。

82歳の山根宏章、脚本・演出・主演での活躍で海外でも喝采を浴びる

遠いロシアでの公演は、今年82歳の団長・山根宏章にとってかなりの負担になるのではないかと心配だったのですが、「そんな心配は無用!」といわんばかりに、現地ではテレビなどのメディア取材も精力的にこなし、上演では海外のお客様から大爆笑をさらうなど、さすがの活躍でした。

「山根さんの演技はすごいエネルギーだ!!」とアルレキン劇場の人達をはじめ、多くの観客の皆さんから評価いただいたのは、本当にうれしかったです。

すごく大変。でもまた挑戦したい。

3度目になった海外公演ですが、正直とても大変です。日々の上演をこなしながら、海外公演のための準備や、演目の調整、さまざまな人との打ち合わせをこなしていかなければなりません。

しかし、前回の「鬼ひめ哀話」でのスタンディングオベーションや、今回の「ばけものづかい」での観客の皆さんの大喝采を経験すると、大変さを忘れて「また挑戦したい」と思うのです。


最後に、出発前の山根へのインタビューをご紹介します。

演者の肉体を通した表現にゆだねて、
ありのままに《自分》を通す以外に通ずる道はない

 ぺトリューシカの『グラン“ク”リ賞』のトロフィー(?)

●ロシアから再度招待されたとき、感じたことは?

ロシアから再度の招待を受けた時、この前の「鬼ひめ哀話」公演の景色がフラッシュバックして鮮やかに甦ってきました。そして、何も分からず取り組んだこの前の海外公演に比べて今回少しは楽しく参加できるのかなという思いが脳裏をよぎり、またオムスクに行ける喜びへと変わっていきました。(費用のことはそっちのけでねハハハ)

●「ばけものづかい」をロシアで上演するための工夫や変更点はありますか?

「ばけものづかい」は国内の公演では話芸である点を重視しながら、演芸としての楽しさを満載した上演として取り組んできましたから、それを海外の人たちにどう伝えられるのか、インストラクターの田代紀子さんと綿密な連携を取りながら取り組むことにしたのですが、《お化け》の存在がどう楽しくお客さんに掴まえてもらえるのか、ある意味出たとこ勝負で頑張るしかないのかなと思っています。

ただ、今回は字幕ではなく現場でじかに俳優さんが当てて喋っていただけるということで、いわば活弁スタイルの面白さがあるのではと期待しています。

●「鬼ひめ哀話」で感じた「文化の壁」や海外で上演することの難しさとは?

《分かってもらう》ということはほんとに難しいことだと実感したのですが、演者の肉体を通した表現にゆだねて、ありのままに《自分》を通す以外に通ずる道はないと思っています。それがあのスタンディングオベーションにつながったかなと思います。

「鬼ひめ」の時には《文化の壁》にぶつかったのは確かですが、開演5分前まで記者のインタビューを受けなきゃならないのは驚きでした。図太い神経を持っていないと海外での公演はむつかしいというのが実感です。

《文化の壁》は繰り返し努力することで少しづつ間を埋めていく以外に、早道はないと思いますね。

なにはともあれ、演芸としての立ち位置で客と一緒に思いっきり楽しんで来たいと思っていますが、この82歳の肉体が持つかどうか心配なのはそれだけです。

代表 山根 宏章(2019.9.20 ロシア出発前に)